【平成28年8月23日現在】
用語 | 用語説明 | 記号 |
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IR | 資産運用上はInformation Ratio(インフォメーション・レシオ)の略。算式は、IR=アクティブ・リターン/アクティブ・リスク、つまり(超過収益)/(超過収益の標準偏差)。企業と投資家間の情報開示を通じた信頼関係作りのこともIR(Investors Relations)という。 (「インフォメーション・レシオ」参照) |
運01 |
MPT | 現代ポートフォリオ理論。Modern Portfolio Theoryの略。 (「現代ポートフォリオ理論」参照) |
運02 |
MSCI KOKUSAI インデックス |
外国株式に関する代表的なインデックス。Morgan Stanley Capital International Inc.が算出している。地域ごとに各種のインデックスがあり、日本を除く世界株式のインデックスをMSCI KOKUSAIと名付けている。当基金ではMSCI KOKUSAIとMSCI World(日本を含むグローバル株式運用向け)等をベンチマークとして使用している。 | 運03 |
NOMURA-BPI | 国内債券市場の代表的な指標。当基金のベンチマークに使用している。BPIはBond Performance Indexの略。提供者は野村グループ。 | 運04 |
TAA | タクティカル・アセット・アロケーション、即ち戦術的資産配分のこと。定量的な裏づけによってマーケットのタイミングを計って資産配分する運用。Tactical Asset Allocation。 | 運05 |
TE | 「トラッキング・エラー」の略。Tracking Error。 (「トラッキング・エラー」参照) |
運06 |
TOPIX | 東証株価指数。東証市場第一部全銘柄の時価総額が、基準時の時価総額に比較してどのくらい増えたか減ったか、ということを通じて市場全体の株価の動きを表すもの。Tokyo Stock Price Indexの略。 | 運07 |
t-値 | t=IR*√年数 t-値が2未満の場合、そのデータに統計的有意性はない(スキルを証明することはできない)とする、学術的な用語。 | 運08 |
VaR | バリューアットリスクのこと。市場全体の変動により、損失を蒙るリスクを測る指標。ある期間に、ある確率でポートフォリオが被り得る(発生しうる)最大損失額(率)を表す。潜在的な損失可能性を測定する手法。Value at Risk.。 | 運09 |
アウトパフォーム | 個別銘柄やポートフォリオ全体の投資成果がベンチマークを上回っていること。Outperform。 | 運10 |
アクティブ・サテライト | パッシブ・コアと並行してアクティブに運用する部分をアクティブ・サテライトと呼ぶ。運用の中心にパッシブ運用があって、その周辺にアクティブ運用があるという考え方。サテライトは人工衛星のこと。Active Satellite。 | 運11 |
アクティブ・ヘッジ | 投資環境に応じてヘッジ比率を0~100%の間で調整するヘッジ戦略。 (「パッシブ・ヘッジ」参照) |
運12 |
アクティブ・リスク | アクティブ・リターンの標準偏差を指す。超過収益率のリスク度合い(散らばり)のこと。 Active Risk。 (「アクティブ・リターン」参照) |
運13 |
アクティブ・リターン | ポートフォリオのリターンとベンチマークのリターンとの差をアクティブ・リターンと呼ぶ。対ベンチマーク超過収益率のこと。Active Return。 (「アクティブ・リスク」参照) |
運14 |
アクティブ運用 | 証券市場で形成される価格は情報が十分に織り込まれていない、あるいは情報に対して過剰に反応しており、情報を適切に収集・分析すれば市場平均以上の運用成果(パフォーマンス)を獲得することができるという考え方に基づいて、業種配分や銘柄選択などを行うことにより、市場平均を上回るパフォーマンスを目指す運用スタイルを指す。 (「パッシブ運用」参照) |
運15 |
アセット・アロケーション | 株式、債券など、投資対象になる資産が複数ある場合に、運用資金を各資産にどのよう配分するかを決定すること。投資プロセスの中でパフォーマンスへの影響度が最も高いこと、また、運用資金の特性を勘案したリスク許容度を反映させる段階として重要であることから、投資意思決定プロセスの根幹をなす作業といえる。Asset Allocation。 | 運16 |
アセット・ミックス | アセット・アロケーションの結果として得られた、株式、債券等個別資産の配分比率を指す。特に中長期的リスク許容度に基づいて決められたアセット・ミックスをベースラインポートフォリオまたは政策アセットミックスという。 | 運17 |
アノマリー | 現代ポートフォリオ理論の枠組みの下にある資産価格形成モデルでは説明されないような経験的な規則的事象のこと。市場の変則性とも呼ばれる。Anomaly。 | 運18 |
アルファ(α) | マネージャーのスキルにより獲得できる収益。もともと伝統的資産の運用収益を、資産から得られる収益であるβと、マネージャーのスキルによる収益であるαに分けたことに始まる。今では、絶対収益追求型戦略(ヘッジファンドなど)から得られる収益も、スキル主体とするということでαと呼ぶようになっている。 (「ベータ(β)」参照) |
運19 |
アンダーパフォーム | 個別銘柄やポートフォリオ全体の投資成果がベンチマークを下回っていること。Underperform。 | 運20 |
一般勘定 | 生命保険が提供する商品で、元本と一定利率が保証され、運用実績が良かった場合、運用成果に応じて配当が還元される合同運用勘定。運用内容は生命保険会社に一任する形。 | 運21 |
インデックス | 各市場の騰落の状態を示す指標(国内株式市場における日経平均株価指数など)。Index。 | 運22 |
インデックス運用 | 原則としてインデックスに含まれている全銘柄(完全法)をインデックスにおける構成比率と同率に組入れて、インデックスと同じ動きを再現する運用方法で、アクティブ運用をしても長期的にはインデックスに勝てないという前提での運用。 (「パッシブ運用」参照) |
運23 |
インフォメーション・レシオ(情報レシオ) | ベンチマークに対する超過リターンの平均値を、その(アクティブ・リスク)で除した比率であり、投資マネージャーのアクティブ運用能力を測るパフォーマンス評価測度の1つ。IRと略す。「アクティブ・リスク1単位当りの超過リターン」(リスク調整後リターン)として利用される。長期的に見て0.5以上は良、0.75以上は優良、1.0以上は超優良と評価する。Information Ratio。 (「IR」)参照) |
運24 |
運用ガイドライン(運用指針) | 資産構成割合、運用手法、運用成績の評価方法等、年金運用責任者が各運用機関に対して運用を行うにあたって遵守すべき事項を示した指針のこと。 | 運86 |
運用スタイル | 運用する際の基本となる考え方や手法。アクティブ運用やパッシブ運用といった理念を指すこともあれば、株式アクティブ運用でのバリュー型やグロース型のように具体的な戦略を示すこともある。 | 運25 |
エンハンスト・インデックス運用 | 市場から乖離するリスク(トラッキング・エラー)を小幅に抑えながら若干の安定的な超過収益の確保を目指す運用。ベンチマークを意識してリスク度を抑えて行うアクティブ運用。エンハンストは(リターンを)高めるという意味。Enhanced Index。 | 運26 |
オプション取引 | 株式・債券・通貨等当該商品をあらかじめ定められた一定の価格で売る権利(プット・オプション)あるいは買う権利(コール・オプション)を売買する取引をいう。 | 運27 |
為替オーバーレイ運用 | 外貨建資産の運用において、為替部分の投資判断を行う運用機関を別途採用し、為替取引を一元化して効率的に管理させる運用。オーバーレイ(Overlay)は(複数のものに)かぶせるという意味。 | 運28 |
カルパース | カリフォルニア州公職員年金基金のこと。米国第1位の公的年金。CalPers(California Public Employee Retirement System)の略。 | 運29 |
期待収益率(リターン) | 資産や証券の投資収益率(リターン)の期待値のことで、予想平均収益率を表す。将来予想される収益率の発生シナリオとその確率分布を想定し、収益率を発生確率で加重平均することにより算出する。 | 運88 |
許容リスク | 資産運用で目的とするリターンを追及するために許容しうるリスクの上限。どこまでリスクをとることができるかということ。 | 運30 |
グロース型運用 | 収益力など企業の成長性を予想し、成長力が高いと判断される企業へ投資する運用手法。一般に、成長性の判断材料としてEPS(1株当り利益)の成長率やROE(株主資本利益率)などが使われる。Growth。 (「バリュー型運用」参照) |
運31 |
グローバル | 自国を含む世界全体を指す場合に使われる言葉。「インターナショナル」という場合は自国を含まない外国という意味が一般的。Global。 | 運32 |
決定係数 | 市場との連動性への信頼度を測るもの。市場と完全に同じ動きをした場合には決定係数が1.0となり、信頼度が最も高い状態を示す。 | 運33 |
現代ポートフォリオ理論 | 1952年にシカゴ大学のハリー・マーコビッツが発表した論文を契機として発達した証券投資およびポートフォリオ管理に関する理論。効率的市場仮説や資本資産評価モデル(CAPM)などの総称。 | 運34 |
行動ファイナンス理論 | 金融市場関係者の現実の行動の分析を通じて、市場価格の動きを理解しようとするもの。人は意思決定する際に必ずしもきわめて論理的ではないとの認識を前提にしたアプローチ。投資家は合理的とは限らないので、市場価格は常にファンダメンタルズバリューに等しいとは限らないという考え。例えば、人は自信過剰になると取引の回数が多くなりがちだが、取引の回数が多くなるほど収益が少なくなるし、データの量に応じて投資家の自信は上昇するが、予測の精度は上昇しないという現象が見られる。 | 運35 |
効率的市場仮説 | 合理的な投資が行われれば、市場はその時点のすべての情報を瞬時にかつ完全に織り込む効率的市場となり、いかなる投資家も継続して市場平均の投資収益を上回る超過収益を上げることができないと言う仮説。 | 運36 |
効率的(有効)フロンティア | 効率的(有効)フロンティア リスク回避的な投資家が選択する、一定のリスクに対して期待収益率を最大にするような(あるいは、一定の期待収益率に対して最小のリスクとなるような)アセット・ミックスをプロットした曲線。この曲線が左上方にあるほどリスクが低く、リターンが高くなり、より効率的な投資ができることになる。 (「リスク」参照) |
運37 |
再保険戦略 | ハリケーン、地震等、主に自然災害の再保険を引き受けることによりリターンを得る戦略。いかにファンドの支払保険金総額を受取保険料総額の範囲内にとどめるかによって再保険ファンドのリターンが決定される。 | 運38 |
サテライト | 中心になる運用の周辺にある運用という意味合い。一般にはアクティブ・サテライトという言い方をする。サテライトは人工衛星の意味。Satellite。 (「アクティブ・サテライト」参照。) |
運39 |
時間加重収益率 | キャッシュフローが発生する毎に期間を区切り、各期間毎の収益率を計算し、最後に複数の期間毎の収益率を掛け合わせる(リンクする)ことにより求めた時価ベースの収益率のこと。期間中に発生したキャッシュフローの影響を受けない(あるいは受けにくい)ことから、ファンドマネージャーの能力評価に適している。一般の投資信託の収益率はこの方法で毎日計算(厳密法)される。測定法には、1.厳密法、2.内部収益率リンク法(信託銀行が採用している簡便法)、3.修正ディーツ法(投資顧問の多くが採用している簡便法)などがある。 | 運40 |
資産運用の基本方針 | 年金資産の運用・管理の目的や政策アセット・ミックスの策定、運用受託機関の選任など、資産運用に関する基本的な事項について文書化された方針。 | 運87 |
市場リスク | 株価変動リスクなど、株式市場や債券市場などの市場に投資することによって生ずるリスクのこと。 | 運41 |
市場リターン | 投資対象とする市場そのもののリターン(騰落率)を指す。 (「アクティブ・リターン」参照) |
運42 |
システミック・リスク | 市場リスク。ある一つの市場や関係の深い市場の変動によりポートフォリオに発生するリスク。Systemic Risk。 | 運43 |
実績トラッキングエラー(実績T.E.) | ベンチマークに対するポートフォリオの収益率の乖離のことをトラッキングエラーと呼ぶ。過去の実績リターン計算した値を実績トラッキングエラーという。 (「推定績トラッキングエラー」参照) |
運44 |
シティグループ世界国債インデックス | 外国債券市場ないしグローバル債券市場の代表的な指標。当基金の外国債券のベンチマークに使用している。提供者はシティグループ。 | 運45 |
シャープ・レシオ | ウィリアム・シャープ博士が提唱したパフォーマンス評価測度の一つで、「リスク1単位当りの超過リターン」(リスク調整後リターン)として利用される。(ポートフォリオ・リターン-無リスク資産のリターン)/(ポートフォリオ・リターンの標準偏差)で計測される。Sharpe Ratio。 | 運46 |
修正総合利回り | 簿価ベースの平残利回りに時価の概念を導入した収益率で、算出が比較的容易なことから広く利用されている。算式(年率)は(実現損益-前期未収+当期未収-前期評価損益+当期評価損益)÷(期中元本(簿価)平残+前期未収+前期評価損益)×(365×100)÷(期中日数)。 | 運47 |
修正ディーツ法 | 時間加重収益率の算出の簡便法の一つで、精度はやや荒い。計算が比較的簡単なので、投資顧問会社の多くが収益率の算出にこれを利用している。 | 運48 |
推定トラッキングエラー(推定T.E.) | ベンチマークに対するポートフォリオの収益率の乖離のことをトラッキングエラーと呼ぶ。バーラ・モデル等のマルチファクターモデルを用いて事前に推定した値を推定トラッキングエラーという。 (「実績トラッキングエラー」参照) |
運49 |
スタイル運用 | 株式のアクティブ運用の一種で、特定のタイプの銘柄群に特化した運用のこと。大型株・小型株という分け方と、グロース・スタイル・バリュー・スタイルに分けるのが一般的。各々のスタイル運用に優れた運用者を選べば、合算しても安定的に市場平均を上回る成績を上げられるとの期待がある。なお、世界の主要な株式市場では、長期的にはバリュー・スタイルの方がグロース・スタイルよりも成績が良いという結果が出ている。グロース・バリューの決まった定義は無く、使用する人やインデックスによって違う。 | 運50 |
スマートベータ運用 | 「インデックス運用」のように「スマートベータ」という特定の指数や基準を用いつつも、「アクティブ運用」と同じく市場平均を上回る収益を目指す運用手法。 インデックス運用の弱点とされていた「機械的に時価総額に左右されるため、割高な銘柄に多く投資し、割安な銘柄に少ししか投資しない場合がある」という事態を回避できる。また、指数を参考に銘柄や比率を判断していくため、マネージャー・スキルに基づくアクティブ運用に比べ、運用手数料などのコストを抑えることができる。 |
運90 |
スマートベータ指数 | TOPIXなどのベンチマークに代表される時価総額加重の指数ではなく、企業財務価値(売上高、利益、純資産、配当など)や株価の変動率などの要素で加重する非時価総額指数。債券においても、各国のGDPや財務健全性などの指標で加重する外国債券の非時価総額指数が開発されている。 | 運91 |
政策アセット・ミックス | 年金基金等の投資家の中長期的な投資目的を実現するために、目的の遂行に対する制約やリスク許容度を考慮して策定する基本的な資産配分割合。 | 運51 |
セキュリティーズ・レンディング | 株式や債券など保有有価証券を証券会社等に貸し付け、品貸料を徴収することを言う。同取引を利用する場合には、貸付先の信用リスク管理や保全方法などに留意する必要がある。 | 運52 |
相関係数 | ふたつの変数間の関連性の強さを示すもの。+1~-1の間の値。相関係数が高い場合は連動性が高く、相関係数がゼロであればまったく関連性が無く、相関係数がマイナスの場合は逆方向の動きを示すことになる。 | 運53 |
定性評価 | 運用機関の基礎的な能力を質的側面(人的資源・投資哲学・運用体制等)から評価する方法。 | 運54 |
定量評価 | 過去の運用実績に関するデータを分析して運用機関を評価する方法。 | 運55 |
テクニカル分析 | 当該銘柄自身の過去の価格、売買高、信用取引の取組関係などの市場内部要因に関するデータを分析することによって証券価格の動向分析に役立てようとするもの。 | 運56 |
デリバティブ | 派生商品。株式・為替・金利など本来の金融商品から派生したものの総称。先物、オプション、スワップなど。Derivatives。 | 運57 |
トータル・リスク管理 | 市場リスクとアクティブ・リスクの双方を管理すること。アクティブ・リスクについても管理する必要があるという考え方が一般的になりつつある。 | 運58 |
トップダウン・アプローチ | 金利・景気・為替などのマクロ経済の現状および先行きを判断し、その見通しに合うようにまず業種やファクターの配分を決定し、次にその戦略に合わせて個別銘柄の選定を行うアプローチを指す。Top-Down Approach。 | 運59 |
トラッキング・エラー | ベンチマークに対するポートフォリオの収益率の乖離の値。「アクティブリスク」とも呼ばれ、資産運用においてリスクを測定する尺度の一つ。具体的には、ベンチマークの収益率と運用するポートフォリオの収益率との差(超過収益率)の標準偏差で表現する。実績の収益率から計算する「実績トラッキングエラー」とモデルを用いて推定する「推定トラッキングエラー」がある。一般にトラッキングエラーが大きいほど、運用するポートフォリオがベンチマークに対してリスクを大きく取っていることを意味する。Tracking Error。 | 運60 |
年金ALM分析 | 年金制度にとって最適なアセット・ミックスを検討、選択することを目的に長期ベースの年金資産と年金負債の将来予測を行い、年金財政運用におけるリスクを計測・分析する手法。ALMはAsset Liability Managementの略。 | 運61 |
パッシブ・コア | 総資産の内、パッシブ運用を中心に据える場合にパッシブ運用部分をパッシブ・コア(核)と呼ぶ。ベンチマークを上回る能力のあるアクティブ運用機関が見つけにくい場合に採用される。Passive Core。 (「アクティブ・サテライト」参照) |
運62 |
パッシブ運用 | 証券市場においては、情報を収集・分析しても市場平均を上回る収益率を一貫してあげることはできないという効率的市場の考え方を背景に、市場の動きに連動するポートフォリオを組成することにより、市場並みの収益率の確保を目指す運用スタイルをいい、インデックス運用とも呼ばれる。 (「アクティブ運用」参照) |
運63 |
パッシブ・ヘッジ | 投資環境にかかわらず、100%とか50%とかヘッジ比率を常時固定するヘッジ戦略。 | 運64 |
パフォーマンス | 運用成果のこと。広範な意味で使われるが、収益率を表すことが多い。Performance。 | 運65 |
バリュー型運用 | 企業の収益力や資産状況といった情報から株価の評価を行い、「割安」と判断される企業へ投資する運用手法。評価するための尺度として、一般に、企業の収益力に注目したPER(株価収益率)やPCFR(株価キャッシュフロー倍率)、現在の資産価値に着目したPBR(株価純資産倍率)などの指標が多く用いられる。Value。 (「グロース型運用」参照) |
運66 |
標準偏差 | 統計学の用語。結果(分布)の散らばりの程度を測るもの(資産運用では月次収益率をベースに測定することが多い)。標準偏差が大きい資産は小さい資産よりも結果の散らばりが大きくなる(大きく儲ける場合や、大きく損する場合が出る)。投資収益が正規分布していれば、実現する収益は約68%の確率で平均プラスマイナス1標準偏差の範囲内におさまり、約95%の確率で平均プラスマイナス2標準偏差の範囲内におさまる。単に標準偏差と言う場合は1標準偏差を意味する。 | 運67 |
ファンダメンタルズ分析 | マクロ経済や企業業績、金利・為替の動向、政治動向等を総合的に判断しながら行う投資対象資産の分析をいう。 | 運68 |
複合ベンチマーク | 各運用資産のベンチマークの収益率を、基準となる資産配分割合で加重平均した収益率。運用資産全体の運用実績を評価する場合の尺度として用いられる。 | 運69 |
ベータ(β) | 一般に資産から得られる収益。TOPIX(配当込み)やNOMURA-BPI(総合)などのベンチマークから獲得される収益が、その代表的なもの。 (「アルファ(α)」参照) |
運70 |
ベータ値(β値) | 個別銘柄の投資収益率の市場ポートフォリオ収益率に対する感応度を表す。β値が1より大きいほど市場の変化に対する感応度が高く、市場ポートフォリオよりハイリスク・ハイリターンの傾向がある。 ベータ値は、現代ポートフォリオ理論でよく用いられ、個別銘柄の分析以外にファンドの収益率を分析するときにも使われる。この場合のベータ値は市場リターンに対して、そのファンドがどれくらい敏感に感応し、連動した値動きをするかを示す数値を意味する。もしベータ値が1であればポートフォリオのリターンは市場のリターン(インデックスの騰落率)と同率の動きをすることが期待されるということ。1.2であれば市場のリターンの1.2倍のリターンが期待される。β。 |
運71 |
ヘッジ | ヘッジとは有価証券や為替の価格変動による損失を回避するために、先物等を活用してリスクの軽減を図ること。外貨建て資産に対して「ヘッジ付」という場合は為替ヘッジ付という意味であり、例えば米国株を買って、将来受け取る米ドルを為替先物予約等で売っておくこと(将来の米ドル売り・円買いを予約すること)。一般的なヘッジでは、そのヘッジ額をいくらに設定するかで、原資産(ヘッジ対象資産)の価格変動をどの程度抑えられるか─「ヘッジ比率」が決定される。 | 運72 |
ベンチマーク | 運用機関の運用目標を設定する場合や運用実績を評価する場合の尺度として用いられる市場平均収益率のこと。通常は各市場の騰落の状態を示す指標(国内株式市場におけるTOPIXなど)が用いられる。 | 運73 |
ポータブル・アルファ | 他の資産区分で得たアルファを別の資産区分に移し変えること。例えば国内株式への直接投資の代わりに株式先物へ投資して株式市場のリターンを取り、残った資金(元本-証拠金)でアクティブ債券ポートフォリオを組み、債券ポートフォリオの全額相当の債券先物を売ることによって債券運用部分から得られるアルファ(超過収益)を株式投資に移すという考え方。Portable Alfa。 | 運74 |
ポートフォリオ | 個々の投資家や運用者が保有している金融資産の集合体またはその明細のこと。Portfolio。 | 運75 |
ホームカントリーバイアス | 国際分散投資を前提にした資産配分で、自国(通貨建て)資産への配分比率が海外資産への配分比率を常に上回る現象をいう。 | 運89 |
母集団 | 統計的なデータの持つ情報を取り出す場合の、対象となるデータ全体を指す。 | 運76 |
ボトムアップ・アプローチ | 個別銘柄の選別投資により、超過収益の獲得を目指すアプローチを指す。Bottom-Up Approach。 | 運77 |
マネージャー・ストラクチャー | 資産の運用における運用機関の構成のこと。実際には、運用機関の構成そのものよりも、「年金資産をどのような種類(役割)の運用機関に、どのような割合(資産額)で配分するかを決定することおよびプロセス」を指す。Manager Structure。 | 運78 |
マンデート | 投資一任契約等によって委任されること、あるいは委任された内容を指す。Mandate。 | 運79 |
ユニバース | 評価対象となるファンドと同じ性格を持つポートフォリオをグループにしたもの。例えばTOPIXをベンチマークとするファンド・グループ。Universe。 | 運80 |
リスク | 投資理論においてリスクとリターンという場合のリスクとは、投資収益率の散らばり(ブレ)を指し、収益率の標準偏差で表される。元本を失う可能性のことを意味することは少ない。Risk。 (「標準偏差」参照) |
運81 |
リスク・バジェティング | 資産配分比率やアクティブ・パッシブ運用比率、運用機関の選択といった年金基金にとって重要な各種の意思決定を、リスク配分問題という観点でとらえる考え方。運用機関毎にリスク度を想定し、そのリスク度を配分した場合の年金基金全体のリスク度がどうなるかを想定して、トータルとしてリスク管理しながら、より効率的な資産配分やマネージャー・ストラクチャーを決定する方法。政策アセット・ミックスの策定時に想定するリスク度は資産区分毎の市場平均値であり、各運用機関のスキルが反映される実際のポートフォリオのリスク度はこれと異なった値になるので、実際のポートフォリオに沿ってリスク管理を行う必要があるという見方からリスク・バジェティングが注目されてきている。「バジェット」は予算の意味。Risk Budgeting。 | 運82 |
リスク・プレミアム | 投資対象資産のリスク・フリー・レートを上回る期待投資収益率のこと。リスク・フリー・レートはその国(通貨)で入手可能な最も安全な資産の収益率。米国であれば、米国短期国債の利回りを指す。リスク・フリー・レートという場合の「リスク」は元本を失う可能性のことを意味している。Risk Premium。 (「株式のリスク・フリー・プレミアム」参照) |
運83 |
リバランス | 複数の資産を運用すると、資産ごとの時価はばらばらに変動して当初の資産配分と異なってくるので、当初の資産配分比率から乖離した場合に、決められたルールに則ってその乖離を是正させること。Re-Balance。 | 運84 |
ローリング | 標準偏差や相関係数などの数値を算出する際に計測期間を少しずつずらしていって連続した数値を算出する手法。例えば、12ヵ月分の月次データを1計測期間として、計測期間を1ヵ月ずつずらしていって連続したデータを算出する場合は12ヵ月ローリングという。Rolling。 | 運85 |